債権者から給与差押えを受けている依頼者について自己破産により債務の問題を解決した事例
2020.07.29
事案概要
- 依頼者は長年にわたってクレジットカード等によるショッピングやキャッシングを利用していたところ,返済が困難となり,約10年前に自ら特定調停手続によって債務整理を行った。しかし,債務整理後も結局返済ができず,頻繁に督促をしてくる債権者だけにわずかずつ支払いを続けるような状態のまま長年が経過した。
その後,自動車のリースやカードによるショッピングなどでさらに債務が増え,全く債務の返済ができなくなり,債権者から給与の差押えを受けて生活が困難な状況となったことから,当事務所に自己破産手続の代理を依頼した。
解決結果
依頼者はほとんど手元に金銭を有していなかったため,法テラスの援助を受けて受任した。
受任後,差押債権者に対して差押えの取り下げを要求したものの,承諾は得られなかったことから,速やかに破産申立てに向けて準備を進めた。
破産者は破産申立てにあたって裁判所に支払う手続費用(予納金)を工面することができるような状態にはなかったが,債権者が差し押さえた給与が供託され続けており,供託金が合計20数万円に及んでいたことから,破産手続開始後に破産管財人にその供託金を回収してもらい,それを手続費用に充ててもらうよう裁判所に申し入れたところ,予納金の金額を大幅に減額してもらうことができ,破産手続を進めることができた。
最終的に,破産手続を経て債務の全額の免責を受けることができ,債務の問題は解決に至った。