職場から誤った説明を受けたため,退職金の金額を長年誤信していた依頼者が,損害賠償金の支払や職場からの直接の謝罪を受けることができた事例
2021.11.01
労働問題
事案概要
- 依頼者は,以前勤務していた職場を退職する際,担当者から,転職後も退職金の引継ぎが可能であるため,退職金はすぐには受け取らず,転職先を退職する際にまとめて支払を受けた方が,退職金が高額になるという誤った説明を受けた。そのため,依頼者は,約15年間にわたり,本来受け取ることができる退職金の金額を大きく超える退職金を受領できるものと誤信していた。
依頼者が退職を考え始め,転職後の職場に対し,退職金の算定を依頼したことを機に,以前勤務していた職場の退職金が引き継がれるという事実が誤りであったことが発覚した。依頼者は,その後,本来転職前に受領できるはずであった退職金を受領したものの,別途損害賠償請求等をすることを希望し,当事務所に,職場との交渉を依頼した。
解決結果
当事務所から,使用者に対し,退職金に関する誤った説明をするに至った経緯の説明を求めた上で,損害賠償請求を行ったところ,最終的には,使用者から,本件の経緯について詳細に記載した書面の交付を得たほか,代表者からの直接の謝罪や,遅延損害金相当額である,約150万円の支払を得ることができた。