遺産分割の際に処理を忘れたまま数十年間放置されていた土地について,法的手続によらず話合いで相続登記手続を完了することができた事例
2023.01.25
遺言・相続
事案概要
- 依頼者の父親は数十年前に亡くなり,その際に依頼者が数筆の不動産を相続して,自宅不動産として一体的に利用し続けてきた。依頼者はその後転居し,自宅不動産の処分をしようと考えたが,その際に,自宅敷地の中のごく小さな一筆の土地が,父親名義のまま相続登記をし忘れてしまっていたことが発覚し,そのせいで不動産の売却が進められない状況となってしまった。亡父の相続人の中には数十年経って亡くなってしまっている方も多く,相続人の範囲も所在も把握しきれていない状況にあったことから,依頼者は相続人の調査と遺産分割協議の代理を依頼した。
解決結果
受任後,亡父の戸籍を辿って相続人を調査したところ,2か月程度で全ての相続人の所在を確認することができた。そこで,各相続人に対して通知書を郵送し,相続登記をし忘れていた土地について事情を説明するとともに,あらためて登記手続への協力を依頼して,若干の協力金の支払を提案した。そのうえで,各相続人との協議にあたったところ,最終的に全ての相続人から任意に手続への協力を得ることができ,法的手続を取ることなく相続登記手続を完了することができた。