経理担当従業員に会社資金約800万円を横領された依頼会社の代理人として当該従業員の代理人弁護士と協議にあたった事例
2023.01.25
紛争解決
事案概要
- 依頼会社は,経理担当従業員による横領の疑いがあることに気づき,顧問税理士の協力の元で調査を行なったところ,会社資金約800万円が横領されている事実が発覚した。その従業員は程なく退職し,依頼会社は調査結果を踏まえて従業員に対して被害額の弁償を求めた。その従業員は対応を弁護士に依頼し,依頼会社は当該弁護士との間で弁償に関する協議を続けたが,遅々として誠意ある回答は得られなかったことから,賠償の請求及び民事・刑事の法的手続への対応を当事務所に依頼した。
解決結果
受任後,相手方弁護士に対して速やかに通知文書を送付し,賠償について誠実な対応がない場合には刑事及び民事の法的手続に着手すること通告するとともに,あらためて賠償金の支払を求めた。
相手方弁護士からは,「資力がない」ということを理由に低額の長期分割弁済の提案があり,交渉は円滑には進まなかったが,協議を重ねた結果,最終的に,直接の被害額を上回る総額1000万円の支払を受ける内容での合意が成立した。返済方法についても,当初の相手方からの提案を退け,一定額の一時金の支払をうけることができ,分割弁済の月額も増額させることができた。