認知症の父が騙されて贈与契約書・売買契約書を作成してしまった２筆の土地を取り戻した事案
2023.05.26
訴訟・紛争解決
成年後見・財産管理
事案概要
- 依頼者の父は，数年前に認知症を発症し，徐々にその程度が進行し，2年前にアルツハイマー型認知症の診断を受けた。診断をきっかけに依頼者が依頼者の父の成年後見人となったところ，子らに相続させる予定であった依頼者の父が所有している土地２筆について，親族に対する贈与契約書と廉価での売買契約書がそれぞれ作成され，代金も一部未受領のまま登記が移転されていたことが判明した。
そこで依頼者が土地の取り戻しを当事務所へ依頼した。
解決結果
贈与契約書と売買契約書はいずれも認知症の診断を受ける前に締結したものであって，裁判で契約の無効が認められる可能性が低いことを踏まえ，交渉での返還を試みた。
相手方は当初頑なに契約が有効であるとして返還には応じないとする態度を取っていたが，契約書締結当時の認知症に関する資料を整えたり契約に関する不自然な点を追及するなどしたことにより，最終的に相手方も本契約が無効であることを認め，土地２筆を取り戻すことができた。
