事業用に借りていたテナントで合意と異なる燃料費を請求されたものの，支払いをすることなく退去することができた事例
2024.07.25
訴訟・紛争解決
事案概要
- 賃貸物件を借りる際に，燃料費（暖房代）は賃料に含むとの合意の下，賃貸借契約を締結したが，契約更新時のやり取りが口頭だったことや，テナントビルが売却されオーナーが変わったことから，他のテナント同様に燃料費を請求されるようになった。燃料費は賃料に含むという合意があるからということで支払いはしていなかったが，管理会社から請求を受け続け請求書には遅延損害金も計上されるようになったため，対応に不信感を覚え退去を決めたことから，滞りなく退去ができるよう当事務所に交渉を依頼した。
解決結果
受任後は，即時にビルの管理会社に対して弁護士名で退去予告通知を出すとともに，燃料費等については支払えない旨通告した。管理会社としてはあくまで燃料費等の請求を継続するとのことであり，最終的に敷金の４倍程度の金額の請求を受けることとなった。
退去にあたってはこちらで原状回復を丁寧に行い，弁護士立ち会いの下原状回復に問題がないことを管理会社との間で確認した上で交渉を続けた。その結果，こちらが敷金返還請求権行使を留保することと引き換えに，管理会社は燃料費等の請求を行わないという相互の意向確認ができたことから，円満に退去をすることができた。
